
親から実家を相続したものの、自分たちはすでに別の場所で暮らしていて、住む予定がない。かといって売るのも踏ん切りがつかず、とりあえずそのままにしている。こうしたご相談は、決して珍しいものではありません。
思い出のある家ですから、すぐに結論を出せないのは自然なことです。ただ、「とりあえずそのまま」の期間が長くなるほど、金銭的にも手間の面でも負担が大きくなっていくのも事実です。
この記事では、相続した家を空き家のままにしておくリスクと、売却を考えるときの流れ・注意点をお伝えします。
空き家のままにしておくリスク
維持費は住んでいなくてもかかり続ける
誰も住んでいなくても、固定資産税は毎年かかります。さらに、火災保険料、電気・水道の基本料金(通水などの管理のために契約を残す場合)、庭木の手入れや郵便物の管理など、細かな維持費と手間が積み重なっていきます。
建物は人が住まないと傷みが早くなる
換気がされない、水が流れない、不具合に気づく人がいない。こうした状態が続くと、建物の傷みは進みやすくなります。傷みが進むほど、いざ売ろうとしたときの価格に影響したり、解体や修繕の費用が必要になったりすることがあります。
「特定空家」に指定されると税負担が増えることも
管理されていない空き家が周囲に悪影響を及ぼすと判断されると、自治体から「特定空家」に指定されることがあります。指定されて勧告を受けると、住宅用地の固定資産税の軽減措置が受けられなくなり、税負担が大きく増える可能性があります。「放置しているだけで損をする」状態になり得るということです。
相続した家を売るときの基本的な流れ
相続した家の売却は、通常の売却と比べて、前段階の手続きがひとつ増えます。大まかな流れは次の通りです。
- 相続登記(名義変更):亡くなった方の名義のままでは売却できません。まず相続登記を行い、売却する方の名義に変更する必要があります。なお、相続登記は2024年から義務化されています。
- 相続人同士の意思確認:相続人が複数いる場合、売却の方針・価格・分け方について、事前に合意しておくことが大切です。
- 査定・不動産会社選び:複数社に査定を依頼し、査定額の根拠を確認しながら会社を選びます。
- 売却活動〜引き渡し:媒介契約を結び、売却活動を経て、買主への引き渡しとなります。
相続登記や税金の詳細は、司法書士や税理士の専門領域になります。私たちにご相談いただければ、必要に応じて専門家との連携も含めてご案内できます。
「売るかどうかもまだ決めていない」という段階でも大丈夫です。維持した場合と売却した場合、それぞれの見通しを整理するところからでもお手伝いできます。
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相続した家の売却でよくある注意点
相続人の間で方針が揃っていない
「売りたい人」と「残したい人」で意見が分かれ、話が進まなくなるケースがあります。感情の絡む話なので簡単ではありませんが、維持費の負担を誰がするのか、放置した場合にどうなるのかという現実的な情報を共有すると、話し合いが前に進みやすくなることがあります。
荷物の片付けをどう進めるか
実家には長年の荷物が残っていることがほとんどです。売却の前にすべて片付ける必要があるのか、どこまで自分たちでやるのか、という点は多くの方が悩まれるところです。進め方は状況によって変わるので、査定の段階で不動産会社に相談しておくと、段取りが立てやすくなります。
査定額だけで会社を選ばない
相続した家の売却でも、通常の売却と同じく、高い査定額を提示する会社が良い会社とは限りません。査定額の根拠が具体的に説明されているかを確認することをおすすめします。詳しくはこちらの記事で解説しています。
一括査定サイトのカラクリ|査定額が高い会社=良い会社ではない理由
売却時の「囲い込み」とは?知らないと損する業界の裏側
売る以外の選択肢もあります
相続した家の活用方法は、売却だけではありません。賃貸に出す、リフォームして自分たちで使う、当面は管理サービスを利用して維持する、といった選択肢もあります。
どれが正解かは、家の状態・立地・ご家族の状況によって変わります。私たちは「売却ありき」で話を進めることはしません。それぞれの選択肢のメリット・デメリットを整理したうえで、ご家族にとって納得のいく結論を出していただくことを大切にしています。
まとめ|「とりあえずそのまま」の前に、一度整理を
相続した家をどうするかは、すぐに結論を出せる話ではありません。ただ、空き家のまま置いておくこと自体にもコストとリスクがあることは、知っておいていただきたい事実です。
売る・貸す・残す。どの選択肢を取るにしても、まず現状を整理することが第一歩になります。「何から考えればいいか分からない」という段階でも、私たちgritはまったく問題ないと思っています。急かすこともありませんし、売却ありきの提案もしません。
不動産会社選びについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
不動産会社はどう選ぶ?住宅購入で失敗しない選び方
