
一括査定サイトに物件情報を入力すると、複数の不動産会社から査定額が届きます。その中に、思った以上に高い金額を提示してくる会社があると、「ここに頼もう」と感じる方は多いです。
ただ、ここで一度立ち止まっていただきたいです。一括査定サイトには、便利さの裏側に知っておいた方がいい仕組みがあります。この記事では、その仕組みと、高い査定額に潜むリスク、査定額を正しく見るためのポイントをお伝えします。
一括査定サイトの仕組み
一括査定サイトは、1回の入力で複数の不動産会社に査定依頼を送れる便利なサービスです。運営会社は、査定依頼を不動産会社に紹介することで、紹介料を受け取るビジネスモデルになっています。
つまり、不動産会社にとっては「査定依頼が来た時点で費用が発生している」状態です。ここから媒介契約(売却を任せてもらう契約)を獲得できなければ、その費用は回収できません。この構造が、査定額の出し方に影響を与えることがあります。
なぜ「高すぎる査定額」が出てくるのか
複数の不動産会社が同じ物件に査定額を出すと、当然ながら一番高い金額を提示した会社が選ばれやすくなります。これは不動産会社にとって、媒介契約を獲得するための競争でもあります。
その結果、実際に売れる可能性のある価格(成約が見込める価格)よりも高い金額を、媒介契約を取るための提示額として出してくる会社が存在します。これは業界内で「高額査定」と呼ばれることもある、よくあるパターンです。
悪意があるかどうかは会社によって異なりますが、結果として売主が不利益を受けるケースがあるのは事実です。媒介の仕組みそのものについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
「残り1棟です」は本当?不動産営業の”焦らせトーク”に惑わされない家の買い方
高い査定額に潜むリスク
高い査定額を信じて媒介契約を結んだ後、実際にその価格で売却活動を始めても、なかなか内覧の申し込みが入らないというケースがあります。
その後、数ヶ月経ってから「もう少し価格を下げましょう」という提案を受け、結果的に当初の相場価格よりも低い金額で、しかも時間をかけて売却することになる。このパターンは、現場でも見聞きすることがあります。
売却期間が長引くこと自体にもリスクがあります。空き家の期間が延びることでの管理コスト、住み替え先のスケジュールへの影響など、価格だけでなく時間的な負担も大きくなりがちです。
「査定額にばらつきがあって、どれを信じていいか分からない」という段階でも大丈夫です。一緒に査定の根拠を確認することもできます。
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査定額を正しく見るためのポイント
査定額そのものの高さよりも、次のポイントを確認することをおすすめします。
- 査定額の根拠(類似物件の成約事例、周辺の流通価格)が具体的に示されているか
- 複数社の査定額を並べて、極端に高い1社だけを信じていないか
- 「この価格で必ず売れます」という言い方をしていないか(必ず売れる保証はできないはずです)
- 売却までの想定期間や、価格を見直すタイミングについて説明があるか
複数社の査定額を比べると、ある程度近い金額に集まる中で、1社だけ大きく高い金額を出していることがあります。その場合は、なぜその金額になるのか、根拠を遠慮せず質問してみてください。
一括査定サイト自体は、悪いものではありません
ここまでリスクをお伝えしましたが、一括査定サイト自体が悪いわけではありません。複数の会社の意見を一度に聞けるのは、むしろ有効な使い方です。
大切なのは、「一番高い金額を出した会社に決める」という判断基準だけで選ばないことです。査定額の根拠を聞き、対応の丁寧さや説明の分かりやすさも含めて、信頼できる会社を選んでいただきたいと思います。不動産会社の選び方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
不動産会社はどう選ぶ?住宅購入で失敗しない選び方
まとめ|査定額は「高さ」より「根拠」で選ぶ
一括査定サイトは便利なツールですが、出てきた査定額の一番高いものを単純に信じるのは危険です。査定額の根拠が具体的に説明されているか、複数社の金額を比較したうえで判断することをおすすめします。
すでに一括査定サイトで査定を受けている方も、私たちgritにセカンドオピニオンとしてご相談いただけます。比較していただいて大丈夫ですし、急かすこともありません。

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