
「A社は3,500万円、B社は4,200万円。同じ家なのに、こんなに違うものなんですか」
売却をご検討中の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。数百万円という差は、決して小さな金額ではありません。「どちらを信じればいいのか分からない」と戸惑うのは当然のことだと思います。
この記事では、査定額に差が出る理由を、現場で見てきたパターンを踏まえてお伝えします。一括査定サイトの仕組みについては別の記事でも触れていますが、今回はより実務的な視点から、「なぜ差が出るのか」を掘り下げます。
一括査定サイトのカラクリ|査定額が高い会社=良い会社ではない理由
査定額に差が出る、3つの理由
理由①:媒介契約を取るための「高め設定」
複数の会社が査定を出す場面では、一番高い金額を提示した会社が選ばれやすくなります。この構造の中で、実際に売れる可能性のある価格よりも高い金額を、あえて提示する会社が存在します。契約を取った後に「反響が少ないので、少し下げましょう」という提案に切り替わるケースは、現場でも見聞きすることがあります。
理由②:査定の根拠にしている事例が違う
査定額は、周辺エリアの類似物件の成約事例をもとに算出されます。ただ、「どの事例を参考にするか」は会社や担当者によって異なります。築年数や広さが近い物件でも、駅からの距離、管理状態、リフォーム履歴などの条件次第で価格は変わるため、参考にする事例の選び方次第で、算出される金額に差が出ることがあります。
理由③:AI査定・簡易査定と訪問査定の違い
一括査定サイトで最初に出てくる金額は、多くの場合、現地を見ない「簡易査定」や「AI査定」です。これは統計データをもとにした概算のため、実際に物件を見て算出する「訪問査定」の金額とは、差が出ることがあります。日当たり、リフォームの有無、周辺環境など、現地でしか分からない情報が反映されていないためです。最初に出た金額だけを見て一喜一憂せず、訪問査定でどう変わるかを確認することをおすすめします。
「査定額にばらつきがあって、どう判断すればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。それぞれの査定額の根拠を一緒に確認することもできます。
LINEで相談する
現場で見てきたパターン
これまでご相談いただいた中には、他社で「相場より高めの金額」を提示されていた方が少なくありませんでした。複数の事例を踏まえてお伝えすると、共通していたのは、査定額の根拠についての説明が曖昧だったという点です。「このエリアなら、このくらいで売れると思います」という感覚的な説明だけで、具体的な類似事例や算出方法が示されていないケースがありました。
逆に、査定額が他社より低めでも、根拠となる事例や算出の考え方をきちんと説明してくれる会社の方が、結果的に信頼して任せられたという声を聞くこともあります。金額の高さより、説明の具体性で判断する方が、後悔は少ないという印象です。
査定額を比較するときのチェックポイント
- 提示された金額が、簡易査定なのか訪問査定なのかを確認する
- 根拠となる類似事例(築年数・広さ・駅距離が近いもの)を具体的に聞く
- 極端に高い金額を出した会社には、その理由を遠慮せず質問する
- 「この金額で必ず売れます」という断定的な言い方をしていないか確認する
複数社に依頼した場合、極端に高い・低い金額を除いた、真ん中あたりの水準に近い金額が、実勢に近いことが多い印象です。ただしこれもあくまで目安であり、最終的には根拠の説明が納得できるかどうかで判断していただくのが良いと思います。
まとめ|査定額の「差」より「根拠」を見る
査定額に差が出るのは、決して珍しいことではありません。媒介契約を取るための高め設定、参考にする事例の違い、簡易査定と訪問査定の違い。理由を知っておくだけで、金額だけに振り回されずに判断しやすくなります。
すでに複数社から査定を受けていて、「どう判断すればいいか分からない」という方も、私たちgritにご相談ください。セカンドオピニオンとして、それぞれの査定額の根拠を一緒に確認することもできます。比較していただいて大丈夫ですし、急かすこともありません。
売却の流れ全体については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
売却の流れを徹底解説|相談から引き渡しまでのステップ
